みなさんは、漆喰をご存知でしょうか。
漆喰と珪藻土を同様のものであると認識されている方もいらっしゃいますが、自然素材であることに変わりはありませんが、使用している原材料が異なるため違ったものであると言えます。
また、漆喰にはさまざまな効果があり、耐火性能や調湿性能が期待できるのです。
しかし、漆喰の大きな特徴として挙げられる効果として、耐火性能や調湿性能だけではなく抗菌性能が期待できることで有名です。
私たちが営んでいる日常生活においては、さまざまな菌に接する機会が多くなっていますので、住宅などに漆喰を採用することで抗菌性能の向上が期待できることは非常に大きなメリットであると言えるでしょう。
本記事では、漆喰の抗菌性能を初めとした漆喰の秘密について詳しく解説します。
漆喰の抗菌とは?
漆喰を住宅で採用することで、さまざまな効果が期待できます。
導入でもご説明したとおり、漆喰には耐火性能や調湿性能も期待できますが、抗菌性能についても期待できるのです。
殺菌や除菌は、菌を消滅させることや菌を取り除くことが該当します。
一方、抗菌では菌の増殖を抑制する効果が期待できるのです。
そのため、住宅の壁などに漆喰を採用することで、住宅内において菌が発生しづらい環境を構築することができると言えるでしょう。
抗菌作用という付加価値が住宅に付与されることで、私たちが送っている日常生活をより快適なものへと導いてくれると言えるのではないでしょうか。
除菌・抗菌の効果
漆喰は、風雨などの自然の影響を強く受ける場所でも強いと言った性能を持ち合わせています。
そのため、内装および外装のどちらにも適しており、住宅においては壁として採用されることが多くなっています。
壁に漆喰を塗り込めることによって漆喰が持っている抗菌作用を発揮させることが可能であり、風邪およびインフルエンザといったさまざまなウイルスに対する対策としても有効であるとされています。
また、近年において猛威をふるっている新型コロナウイルスに対しても高い効果があるとされているため、より一層注目度が高まっていると言えるでしょう。
具体的な抗菌作用として、病原ウイルスに対しての実証実験が挙げられます。
長崎大学と某大手塗装メーカーによって、漆喰の抗ウイルス効果について実証実験が行われています。
2016年に行われた実証実験では、インフルエンザを含めた違った4種類の病原ウイルスに対して検証が行われた結果、菌が漆喰に接触することで病原ウイルスが持っている感染力が低下する事実を確認しました。
また、2020年に行われた実証実験では新型コロナウイルスについても、菌が漆喰に接触することで99.97%という大部分の感染力が低下する事実が確認されているのです。
このように、漆喰は科学的な実証実験に基づいて高い抗菌作用が確認されていることから、住宅において採用する材料としては非常に適していると言えるでしょう。
なぜ漆喰は抗菌性能があるのか?
漆喰が抗菌性能を有していることについては、明確な理由があります。
それは、漆喰を構成している物質の性質が、強いアルカリ性を有しているためなのです。
漆喰が強アルカリ性を有していることについても明確な理由があり、日本では昔より漆喰を精製する過程において原材料として消石灰を使用しているためです。
漆喰の原材料でもある消石灰が強アルカリ性という性質を有しているため、必然的に漆喰も強アルカリ性の性質を有することとなるのです。
このように、精製過程の結果により漆喰は高い抗菌性能を持ち合わせている材料として存在しています。
なお、抗菌性能は強アルカリ性と深い関連性を持っています。
アルカリ性などの性質はphと呼ばれる水素イオン濃度で分類することができます。
phの値によって酸性からアルカリ性までに分類することができ、具体的には次のとおりとなります。
漆喰は、強アルカリ性に分類されますので、pH値は12以上を安定して計測することができます。
pH値12以上の強アルカリ性が存在する環境下においては、病原ウイルスなどを含めた各種ウイルスが生存できない環境となっているのです。
強アルカリ性の抗菌性能は古くから着目されており、中世ヨーロッパなどにおいてはペストが大流行した際に、消石灰を撒いて抗菌性能を発揮させたという話もあります。
また、現在においても鳥インフルエンザおよび豚熱などの病原ウイルスに対して対策を講じることを目的として、消石灰は利用されているのです。
これらの理由により、漆喰には高い抗菌性能が付与されていると言えます。
漆喰の安全性
漆喰が高い抗菌性能を有していることは、上述したとおりです。
なお、高い抗菌性能を持ち合わせているということは、別の側面から考慮する必要があります。
それは、病原ウイルスなどを抗菌するための高い抗菌性能を有していることと引き換えに、人体に悪影響を及ぼさないかということです。
漆喰は住宅の壁に採用されることが多いため、日常的に私たちが手を触れるところに採用されていると言っても過言ではありません。
そのため、小さなお子さまなどがいる家庭においては、安全性への配慮について確認しておかなければならないと言えるでしょう。
漆喰の高い抗菌性能とは、漆喰を採用した壁の手で触れることができる表面に出ていない内部にて紀陽アルカリ性によって保持されています。
従って、漆喰を採用した壁の表面は硬化が進んでおり、中性化されていることから手で触れたりしても全く問題はないのです。
赤ちゃんなどは何でも口に入れる習性がありますので、壁についても舐めてしまう可能性がありますが、そのような事態になっても安全であると言えるでしょう。
このように、漆喰は安全性が確保されている材料であると言えます。
漆喰は漆喰でもどんな漆喰が効果的か?
「漆喰」と一言で形容しても、その種類はさまざまなものがあります。
例えば、日本で精製されている漆喰には、本漆喰・土佐漆喰・ムチ漆喰(琉球漆喰、屋根漆喰)・既調合漆喰・などが挙げられます。
漆喰が抗菌性能を発揮している所以は、消石灰が持っている強アルカリ性てあることは上述したとおりです。
その観点にて日本で精製されている漆喰を確認すると、ムチ漆喰などは精製の過程で生石灰が使用されています。
生石灰は、石灰石を高い熱で温めた後に二酸化炭素を除去することで作ることができ、酸化カルシウムに該当します。
一方、消石灰は石灰に対して加水して反応させることで作ることができ、水酸化カルシウムに該当します。
このように、消石灰と生石灰は全く違った物質であると言えるのです。
上述したほとんどの漆喰に消石灰が含まれていますが、生石灰など消石灰以外のものを使用して精製されている漆喰には抗菌性能は期待できません。
住宅に対して抗菌性能を発揮させたい場合は、消石灰が使用されている漆喰を採用するようにしましょう。
まとめ
ここまで、漆喰の抗菌性能を初めとした漆喰の秘密について詳しく解説しました。
消石灰を使用している漆喰には、強アルカリ性の性質が付与されていることから高い抗菌性能が期待できることをご理解頂けたのではないでしょうか。
私たちが毎日生活を送る住宅において、大切な家族を守る観点からも抗菌性能については配慮すべき事象であると言えるのではないでしょうか。
お客さまがマイホームを購入するにあたり、是非ともお力添えができると考えていますのでお気軽にお問い合わせください。