注文住宅で間取りを決める時に考えること

WRITER 木村 麻紀夫

2022/05/12

注文住宅で間取りを決める時に考えること

家を建てる時に候補として上がるのが注文住宅。自分好みの間取りができるため非常に魅力的なので、注文住宅を希望するという方も多いでしょう。業者にもよりますが、基本的に注文住宅でできないことはありません。そのため自分の希望だけで家を建てると、後で困ったといったことになるのも注文住宅です。

今回は注文住宅を建てるにあたって意識したい間取りについて解説します。
一生に一度の注文住宅を失敗したくない方は必見です。

家を建てる際に大事なのは間取り

家を建てる際に大事なのは間取り

家を建てる際に大事なのは間取りです。昔に建てられた家と今の家では、大きく異なっている点がいくつもあります。かつては当たり前だった廊下がなくなっていたり、家事導線を意識した回遊型の配置など様々です。そのため注文住宅を建てる際も間取りは必ず意識しましょう。

中でも以下の2つは要注意です。

・家具の配置を考える
・収納を考える

それぞれどういったことが詳しく見ていきます。

家具の配置を考える

まず考えたいのが、家具の配置です。注文住宅に限った話ではありませんが、家を建てた後にいざ入居してみると思っていたよりも狭く感じた、なんてことはままあります。この原因となっているのが、実は家具の配置だったりします。リビングや部屋をいくら広くとっていても、そこに置いている家具の大きさや位置によって圧迫感がまるで違うためです。中でもテーブルやソファ、ベッドなど日々使うものに関しては注意しましょう。毎日使うものだからこそ利便性を考えて大きなものにしたりデザイン性のあるものにしたりすると、入居後に思わぬ後悔をしかねません。また付随する点として掃除に関しても意識するのをオススメします。例えばロボット掃除機を使う場合、家具の下に入り込めるかなども重要となってくるためです。掃除は日々行うものですので、様々なケースを考えながら家具の配置を考える必要があります。

収納を考える

間取りを考える上で最も重要となってくるのが収納です。古今東西、あらゆる方が最終的に入居後に頭を悩ませる要因の1つとなっています。近年では壁面収納などデッドスペースを利用した収納方法も増えつつありますが、それでも完璧に改善されたとは言いがたいのが現状です。特に注文住宅の場合、限られた予算の中で間取りを決めざるを得ない部分があるため、真っ先に削られてしまうのが収納でもあります。ありったけの夢を詰め込んだ結果、しまい込む場所が無くなってしまっているのです。収納は後付けで家具などを増やせるかつ、収納を減らすと大幅に金額を削減できる利点もあります。しかし物は新築時から常に増え続けます。そのため注文住宅の間取りを考える際は、多いかなと思うくらいの収納スペースを確保するのがオススメです。

間取りを考えるポイント

間取りを考えるポイント

注文住宅の間取りを考えるには、意識しておきたいポイントがあります。

特に生活に密着する導線は非常に重要です。

・大きく考えるポイントは3選
・失敗しないための導線作り

それぞれ詳しく見ていきましょう。

大きく考えるポイントは3選

間取りを考えるあたって、大きく考えたいポイントは3つに絞られます。玄関、階段、生活導線です。自身の生活を思い浮かべていただくとその重要度がわかるのではないでしょうか。

一般的にそれぞれ以下のような意味合いで考えるのがオススメです。

・玄関:廊下の長さや日当たりの良い部屋の配置
・階段:1階と2階の間取りや部屋の配置
・生活導線:水回りの配置

中でも重要なのが玄関で、どの位置にするかで各部屋の日当たりまで影響してきます。せっかく日当たりの良い土地を購入したのに、肝心の家の日当たりが悪いのでは意味がありませんよね。建築士が設計をしてくれる家の場合、この辺りをかなり考慮してくれますが、知っているいないでは大きく違ってくるので覚えておきましょう。平屋の場合は階段を外せるので、玄関と生活導線に絞った間取りを考えられるため少し楽に感じるかもしれません。

失敗しないための導線作り

導線作りも非常に重要なポイントとなってきます。特に家事導線は非常に重要で、主婦・主夫の方はもちろん、家族全員にとって家事導線は必ず関わってくる項目だからです。例えば、調理中に出たゴミ出しや買い物を搬入するために勝手口をつけ、その横にパントリーとキッチンを配置するなどすれば、効率的になります。更にランドリールームを併設すれば、勝手口から外に出てすぐに洗濯物を干したりといったことも可能です。また近年では衛生導線も意識され始めており、洗面所とトイレを話したり、玄関から入ってすぐとのところに洗面台を設置したりといった方法も取られています。そうすることで家族が使っていても気まずい思いをすることなく快適に使えるでしょう。来客時にはなるべく生活臭を感じさせないように、リビングや家族用の玄関を仕切って来客用の部屋に直通させる工夫も増えてきています。このように導線は様々なものがあるため、普段の家事や生活を思い起こしながら間取りを考えていくことが大切です。

人気の間取り紹介

人気の間取り紹介

注文住宅の間取りを考えるにあたって、どんなものが人気なのかは知りたいところですよね。どうせなら、ありったけの夢を詰め込みたいのが注文住宅です。

近年特に人気となっているのは、以下の間取りとなっています。

・カウンターキッチン
・シューズクローゼット
・書斎
・趣味の部屋

どれも一度は考えたことがある間取りではないでしょうか。それぞれどういったものか詳しく見ていきましょう。

カウンターキッチン

キッチンとダイニングスペースの仕切りがカウンターになっている「カウンターキッチン」は人気の間取りの1つです。対面式キッチンとも呼ばれ、家族向け住宅の理想の間取りと言っても良いでしょう。アイランドキッチンも、実はカウンターキッチンの一部でもあります。その魅力はなんと言っても、キッチンとダイニングがくっついているため配膳が楽なのに加え、カウンターで勉強をしている子どもの姿を見ながら家事ができる点です。多くの新築物件で採用されていますが、実際に使っていると家電の収納だったり汚れが目立ったりと気になる部分が多い間取りでもあります。そのため実際に使っている家を見学したり、ショールームなどでシミュレーションしたりして後悔しないキッチンにすることが大切です。

シューズクローゼット

家の顔とも呼ばれる玄関を綺麗に見せるために重要なのが、シューズクローゼットです。特に最近では土足のまま歩いて入れるウォークインシューズクローゼットが定番となりつつあり、すっきりと見せられてかつベビーカーなどの生活雑貨を収納できる利点があります。またシューズクローゼットには、上に物を置けるカウンタータイプに加え、天井まである大収納できるトールタイプを選ぶこととなります。特に靴をたくさんコレクションしている方にとって、トールタイプは夢のようなシューズクローゼットでしょう。高所に靴を片付けると取り出す時に不安を感じてしまいますが、滅多に使わない靴にすることで負担から軽減されます。また、家族全員が使う空間のため、どれだけの靴を収納できるかがとても大切です。汚れやすい場所でもあるので、ウォークインシューズクローゼットだと掃除する面積が単純に増えます。以上のような手間と天秤にかけつつ玄関をどう見せるかと収納を両立させて考えるのが、シューズクローゼットを考えるポイントです。

書斎

リモートワークや在宅で仕事をしている方にとって外せないのが書斎です。男性の方の場合、書斎をどうしても欲しい! という方も多いでしょう。ネットワーク環境が進んだ今、書斎の形も様々です。かつては書斎一面に本棚を作り机の上で仕事をする、なんて光景もありましたが、現在は部屋を持たない書斎も多くあります。

・リビングの一角
・リビングからの続きで間仕切りしている
・スキップフロアの空間

自分がどの場所なら集中して仕事できるかを考えた上で設置するのが良いでしょう。静かな空間でないと集中できないなら個室に、広々とした空間で仕事をしたいならリビングなど、自分に合った環境を整えることが大切です。

趣味の部屋

おうち時間が長くなったことで、趣味の部屋を作りたいと考える方も増えてきています。キャンプ用品や子どもの遊び道具を収納できる部屋であったり、ホームシアターや音楽室を作ったりなど様々です。サウナが趣味の方なら、バスルームにミストサウナを設置したケースもあります。以上のように、趣味の部屋は非日常を演出してくれる場所となってくれます。こういった趣味の部屋を間取りとして取り入れる場合、独立したものとして考えないことが大切です。予算から見ても増えてしまいますし、家族との日常的な繋がりもなかなか作れません。しかしインナーガレージのように日常生活のすぐ近くにある間取りにすれば、家族がお互いを見えるため趣味への理解も深まります。コミュニケーションのきっかけにもなるため、日常生活と趣味を両立できるような間取りにするのがオススメです。

間取りについてのまとめ

間取りについてのまとめ

注文住宅の間取りは、自由に夢を盛り込める分、予算との兼ね合いが重要なポイントです。そのため予算が潤沢にない場合は、何かを犠牲にしなくてはならないケースが多々あります。しかし注文住宅の間取りを考えるうえで意識しておきたいポイントを知らなければ、いざ入居すると後悔してしまうなんて場合も考えられます。玄関や階段といった生活導線はもちろん、カウンターキッチンやシューズクローゼットといった話題の収納まで、実際に生活していると使う部分まで意識して間取りを考えましょう。

特に実際に住んでいる方のお家を見学するのは非常に良い機会なので、注文住宅の間取りで悩んでいる方は、実際に足を運んでみるのもオススメです。