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住宅ローン控除とは?本当に13年に延長されるのか?

WRITER 荒木 宗誠

2021/03/27

住宅ローン控除って聞いたことはあるけどどういった制度なのか?と疑問に思われている方も多いのではないでしょうか?ご存知の方でも本当に13年に延長されるのかも心配ですよね。本記事ではその点について詳しく紹介していきます。

住宅ローン控除(住宅ローン減税)の基礎知識

住宅ローン控除(住宅ローン減税)とは

住宅ローン控除は正式には「住宅借入金等特別控除」という国の制度で「住宅ローン減税」とも言われます。住宅ローンの融資を受けてマイホームを購入、建築したり、リフォームを行った際に、定められた要件を満たした場合、所得税や住民税の一部からある一定の額が控除される(税額控除)という制度です。
税額控除は住宅を購入する際に、年間最大40万円(認定長期優良住宅または認定低炭素住宅と呼ばれる高性能な住宅の場合は最大50万円)の控除を最大10年間受けられるという仕組みです。(住宅購入時の消費税率が10%であるなどの条件を満たした場合は最大13年間)

住宅ローン控除の手続き方法

住宅ローン控除の適用を受けるためには、特定要件を満たした上で、取得・入居した初年度に確定申告を行う必要があります。一度確定申告を行えば2年目以降は特別な手続きは必要なく、基本的には年末調整で控除を受けることが可能です。
確定申告の手続きは、入居した翌年の確定申告期間に、必要な書類や添付資料を揃えて、居住地を管轄する税務署に手続きを行う必要があります。この手続きは、税務署の窓口、郵送のほかオンラインでも行うことができます。確定申告に慣れていない方は、直接窓口に出向いて申告書の記入方法や必要書類などを相談しながら手続きを進めることをお勧めします。会社員の方で給与以外の収入がない場合、上記に記載したように入居後2年目は確定申告の必要がなく、年末調整だけで住宅ローン控除が適用されます。ただし、年末調整を行わない方は、2年目以降も確定申告が必要なので注意しましょう。

大分の確定申告についてはこちらから(大分市のHPにリンクします)

住宅(抵当権設定された物件)に対する要求事項

新築住宅の場合

新築住宅を取得後、6ヶ月以内に居住し、控除を申請する年の12月31日まで継続して居住しておかなければなりません。また、取得した住宅の延床面積(登記面積)が50平方メートル以上で、さらに居住用の部分の延床面積が建物全体の半分以上であることも条件です。

新築住宅の場合

中古住宅の場合

中古住宅を取得後、6ヶ月以内に入居し、控除を申請する年の12月31日まで継続して入居しておかなければなりません。また、取得した住宅の延床面積(登記面積)が50平方メートル以上で、さらに居住用の部分の延床面積が建物全体の半分以上であることも条件です。
そして中古住宅で適用する場合、建物の築年数が20年以内(マンションなどの耐火建築物では25年以内)であるかどうか、もしくは新耐震基準といわれる基準をクリアしていたり既存住宅瑕疵保険に加入できる住宅であることも必要となります。

中古住宅の場合

リフォームの場合

自己居住のためのお家で、リフォームや増改築を行った日から6ヶ月以内に入居し、控除を申請する年の12月31日まで継続して居住していれば、住宅ローン控除を受けられます。
また、新築や中古住宅と同じく住宅の延床面積が50平方メートル以上で、居住用の部分の延床面積が建物全体の半分以上でなければなりません。さらに建設工事は、建築基準法に基づく増築、改築、大規模の修繕、模様替え工事や、特定の耐震性、アクセシビリティ、エネルギー効率の向上に該当する工事である必要があります。なお、工事金額が100万円を超え、そのうち半分以上が自己の居住部分の工事にかかるものであることも求められます。

リフォームの場合

住宅ローンの条件

返済期間が10年以上の契約で、分割払いによる返済契約を交わしていることが条件です。また、親族や知人からの借り入れは住宅ローン控除の対象外となるので、銀行や住宅金融支援機構などの金融機関から借り入れていることが適用条件です。

住宅ローンの期間が13年に延びたのは本当?

契約時期や入居時期など国が定める要件をクリアした場合、控除期間が3年延長され最大で13年になります。つまり住宅ローンの期間が13年に伸びたと言うのは本当です。
この場合、最初の10年間は従来通りの計算方法で控除額を算出し、11年目から13年目までは、「従来通りに計算して算出された金額」と「建物の購入価格の2%(4,000万円未満)/3」のいずれか少ない方が最大の控除額となります。この控除期間の延長により、消費税が8%から10%に増加したことによる負担に相当する金額が還付されるイメージになります。
さらに新型コロナウイルスの感染により入居が遅れた場合も、特例条件を満たすと入居期間がまで延長されるかたちとなっています。

国が定める要件はこちらから(国税庁のページにリンクします)

住宅ローン控除を利用する際の注意点

住宅ローン控除をより効率よくご利用いただくために、次に挙げる点をよく理解しておくと良いでしょう。

繰上げ返済を行う場合はタイミングに注意する

住宅ローンの繰上返済は、利息や総支払額を下げたり、借入れ期間の短縮に有効な手段ですが、住宅ローン控除の適用期間中に住宅ローンの繰上返済を行う場合には注意が必要です。
住宅ローン控除とは、返済期間が10年以上の住宅ローンに対して、年末残高の1%を所得税や住民税から控除する制度です。つまり、適用期間中の10年間の間に繰上返済を行って住宅ローンの残高が減少した場合は最大控除額が減り、さらに返済期間が10年未満に短縮された場合は控除を受けられずに損をしてしまう可能性があります。繰上返済のタイミングは、利息軽減の効果と住宅ローン控除への影響を考慮して見定める必要があります。繰上返済を検討する場合は専門のFPなどに相談することをお勧めします。

繰り上げ返済を行う場合

連帯債務やペアローンがある場合は別々に申請する必要がある

夫婦で連帯債務でローンを組んでいる場合やペアローンで住宅ローン契約を交わしている場合、ここまで解説してきた要件を満たしているのであれば、それぞれが負担額で住宅ローン控除を申請することができます。つまり2人分の住宅ローン控除を利用することができるというかたちです。なお、住宅ローン控除の適用を受けるためには、各々が個別に確定申告、年末調整を行う必要があります。また、例えば、夫が債務者、妻が保証人の場合、夫は住宅ローン控除が適用されますが、妻は適用されません。

住宅ローン控除が使えなくなる可能性がある

自宅(居住用財産)を売却したり買い換えたりする際には、様々な税制上の特例があります。住宅に居住した年とその前後2年間(計5年間)に以下の特例を利用した場合、住宅ローン控除は利用できません。

居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得税の特例
居住用不動産の譲渡による所得の特別控除(特別控除額3,000万円)
特定居住用財産等を買い換えた場合の長期譲渡所得の課税の特例

その他の税制上の優遇措置も確認しよう

今回は住宅ローン控除について解説しましたが、その他にも、iDeCo(個人型確定拠出年金)、NISA(少額投資非課税制度)、生命保険料控除など、個人が利用できる税制上の優遇措置がいくつかあります。税制優遇制度は自分がアクションを起こさなければ適用されません。この機会に、住宅ローン控除以外にも活用できる税制優遇制度があるかどうか、改めて確認してみてはいかがでしょうか。

まとめ

住宅ローン控除とは?という基礎知識を中心に紹介しました。本当に13年に延長されることがお分かりいただけたかと思います。住宅ローン控除を利用する計画のある方はぜひ参考にしてみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。