目次
吹き抜けのある家
注文住宅で人気がある「吹き抜けのある家」。
1階部分の天井と2階部分の床を抜いた空間のことをいいます。
1階から2階の天井まで見渡すことができます。リビングや玄関、階段スペース部分に設けられることが多いです。
吹き抜けのメリット
吹き抜けのある住まいに憧れを抱く人は多いです。
それはたくさんの魅力があるからです。どのような魅力があるのかみていきましょう。
1.開放感の高さ
1階と2階のスペースを吹き抜けでつなぐことで、視線の抜けが良く視覚的に広さを実感できます。面積以上の広さを実感でき、圧迫感の無い開放感であふれた空間が広がるのです。
特に、狭小住宅においては、リビングに吹き抜けを取り入れることで、狭い印象を払拭でき、広々とした空間を演出できるため、注文住宅では希望する人が多いです。
2.空間のあかるさ
吹き抜けた2階部分に窓を設置するため、自然光を入りやすくなり空間全体があかるくなります。冬は太陽の位置が低くなるため、自然光が室内に入りにくくなってしまうのですが、吹き抜けがあることで2階からの光を1階にも取り込むことができるため、冬でもあかるい空間を作り出すことができます。
3.風通しの良さ
家を建てる場所や間取り、設計によって異なりますが、吹き抜けを作ることで風通しが良くなります。低い窓からの空気が高い窓へと流れていくため自然換気を促すことができるのです。
4.おしゃれさ
開放感にあふれ、あかるく、風通しの良さに加え、おしゃれな空間を演出できる吹き抜け。
住まいは、家族が帰る場所であることはもちろん、お客様を迎え入れる場所でもあります。
快適性はもちろん、おしゃれな空間つくりにもこだわりたいものです。
5.家族のつながり
吹き抜けをつくることで空間全体に一体感が生まれます。家族がどこに居ても互いの気配を近くに感じられることで安心感が高められます。また、1階と2階で異なるフロアで過ごしていても吹き抜けに向かって声をかけることで会話もしやすいのです。
空間のつながりを高められ、その結果、家族のつながりも大切にできるのです。
吹き抜けのデメリット
このようなメリットがある一方でデメリットがあることも頭に入れておかなければなりません。どのようなデメリットがあるのでしょうか。
1.2階スペースが削られる
吹き抜けの広さ分、2階のスペースが削られてしまいます。二階の部屋の広さを優先すると収納スペースを縮小しなければなりませんし、その逆のケースもあります。2階スぺースが小さくなることで間取りを工夫しなければ窮屈さや、過ごしにくさ、さらには収納が減ることで収納への不満とつながってしまうこともあるため注意しておきましょう。
2.冷暖房効率が悪い
吹き抜けをつくることで、空間が広くなるため光熱費が高くなります。大きな空間を暖めたり、冷やすようになるため、高性能な冷暖房器具が求められます。
また、冬場の寒さ対策は大事です。暖かい空気は上昇するため、吹き抜けを伝って暖気が二階へと流れ込んでしまいます。また、夏場は外からの光が多くなることで、室内は暑くなりやすいです。吹き抜けのある大空間は冷暖房効率が悪くなってしまい、光熱費にも影響が出てきてしまいます。
3.音、ニオイが気になる
1階と2階の空間がつながっていることで、音やニオイが広がりやすいです。
家庭内で生活リズムが異なる場合、音が気になり眠れなかったり、プライベートが確保しにくくなりストレスに感じてしまうこともあるでしょう。
また、料理のニオイが二階の部屋まで広がってしまうこともあるため、洗濯物の干し場に配慮しておいたり、ドアをしっかりと閉めて対策をとることが求められます。
4.メンテナンスが大変
高い位置にある窓や照明、梁の部分のお掃除が大変です。足場が必要となれば専門業者に依頼する必要があるため、費用がかかってしまいます。長い間掃除をしなければホコリまみれとなってしまいますし、照明の電球交換の際でも自分でするのは危ないため、業者へ依頼しなければならないのです。業者を介すことで費用も発生してしまいます。
しっかりとデメリット対策をしておこう
デメリットを知ると、不安が大きくなり吹き抜けをつくるのを諦めてしまう人も少なくありません。しかし、デメリット対策をしっかりと行うことで、吹き抜けの魅力を最大限感じられるため、すぐに諦めてしまう必要はありません。
1.暑さと寒さの対策
吹き抜けをつくることで、夏は暑さを感じ、冬も1階のリビング部分はひんやりとした印象になってしまいがちですが、最近の住宅は建物としての性能が非常に高いため、一度暖められたり、冷やされるとそれを長持ちしてくれます。
夏場の暑さ対策としては、カーテンやロールスクリーンを設けておき、日差しをやわらげられるようにしておきます。設置する窓は断熱性の高いペアガラスやトリプルガラス、さらには断熱サッシを取り入れ、熱の出入りを最小限に抑えておきます。
冬場は、2階へ上がった暖気を循環できるように天井ファンを設けておいたり、リビングは足元から暖めてくれる床暖房を取り入れておくといいでしょう。
2.音とニオイの対策
音の対策としては、室内の壁やドア、床を防音性の高いものにすることで音漏れを防ぐことにつながります。プライバシーをしっかりと守れるように設備に注目しておく必要があります。
ニオイ対策としては、換気がポイントです。こまめに換気をしたり、吸臭力の高いパワーのある換気扇を取り入れておくといいでしょう。キッチンから出る料理のニオイを広げないように、キッチンを半個室にしておくのも効果的です。
3.メンテナンスをしやすくする
吹き抜けをつくる場合、自分で掃除をするのか、業者に依頼するのかをあらかじめ考えておくといいでしょう。業者に依頼する場合には費用が発生するため、それを納得した上で吹き抜けをつくると後悔しにくくなります。
自分で掃除を行う場合には、キャットウォーク(高所に設置された足場のこと)を窓沿いに設けておけば、窓や照明の掃除がしやすくなります。照明の交換の際でも活躍してくれます。
取り付ける照明はLEDの寿命の長いものを取り入れておくのはもちろん、昇降式の照明器具を取り入れて、高さに対応できるようにしておくのもいいでしょう。
キャットウォークを設けなかった場合でも、最近では吹き抜け掃除に適したアイテムが多く、このようなアイテムを上手に活用させることでお掃除の負担が軽減されます。
窓を掃除するのに便利なスクイジーや、ホコリを吸着するモップは最長で5mまで伸びるものもあるため、このようなお掃除アイテムを活用し、お掃除しにくい場所でも安心してお手入れできるようにしておくのもいいと思います。
まとめ
1階と2階をつなぐ吹き抜け。吹き抜けのあるリビングは、あかるく、開放感であふれ、おしゃれな印象を与えることができます。その一方で、二階の居住スペースや収納スペースが少なくなってしまうことを踏まえ、吹き抜けの広さを決めておきましょう。また、冷暖房効率やメンテナンスで費用が割高になってしまうこともあるため、本当に吹き抜けをつくっても後悔しないのかを判断しておくことが大事です。
おしゃれだから何となく設けたい!と軽い気持ちで取り入れるのではなく、本当に吹き抜けが必要なのかを家族でしっかりと話し合い、そしてデメリット対策をしっかりと行い、空間のつながり、そして家族のつながりを大事にできる吹き抜けを取り入れておく必要があるのです。