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注文住宅の耐震構造について徹底解説。家づくりから地震に備えましょう。

WRITER 荒木 宗誠

2024/04/23

地震大国と呼ばれる日本では、耐震性は大切です。
大災害を引き起こすとされる南海トラフ地震は、M8からM9クラスの大地震が30年以内に、70%~80%の高確率で発生すると言われています。
そのため、住宅を建てる時には家づくりの段階から地震に備えることが大切であると言えるのです。
本記事では、耐震構造の基礎・ポイント・注意点などさまざまな角度から耐震について詳しく解説します。

耐震等級とは

構造 イメージ画像

仮に、住宅メーカーより「このお家は大丈夫!」みたいな説明を受けても安心することはなかなかできませんよね。
何かしらのエビテンスに基づいて、耐震性能を示してもらうことが重要です。
耐震等級は、建物の地震に対する指標です。
「品確法」に従って規定された住宅の性能表示制度は、建物の耐震性能に基づいて三つのランクに分類されています。
なお、免震および制震と耐震は別物であり、こちらは地震から建物を守ることを目的としています。

1.建物重量
建物重量が軽いと振幅は減少されます。

2.耐力壁
地震に対抗する壁です。
枚数が多いほど有利です。

3.設置場所
効果が発揮できる設置場所とすることが重要です。

4.床
床に耐震性能を持たせます。

このように、上記については耐震に関する基礎知識としてご認識いただければと思います。

耐震等級1

建築基準法での耐震性能です。
震度6強から7に耐えうる強度があります。
なお、震度は一定ではなく振れ幅が含まれており、直下型やプレート型などの種類によって震度が変動するので注意が必要です。

耐震等級2

耐震等級1と比較すると1.25倍の耐震強度があります。
強い耐震性が期待できることから、地震時に住民が避難する学校や被災者の救護で必要となる病院などに適用されています。

耐震等級3

耐震等級1と比較すると1.5倍の耐震強度があります。
非常に強い耐震性を有していることから、地震時の救護活動および災害復興の要である警察本部や行政機関の災害対策本部などに適用されています。

耐震等級は法律で定められているのか?

耐震等級の法律

耐震等級は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(以下「品確法」という。)」にて決まっています。
品確法には、耐震等級を決めている住宅性能表示制度が含まれており、3本柱で構成されています。
なお、品確法で決まっていますが義務化は求められていません。

耐震等級を高くするためのポイント

建物の軽量化

建物の自重は軽量化されている方が耐震性が高いと言えるでしょう。
建物の自重が大きければ大きいほど建物への損傷が大きくなってしまいますので、軽量化されていることで建物への損傷を軽減することができます。

耐力壁の増加

自身の横揺れに対して効果が期待できる耐力壁は、耐震等級にも大きな影響を与えます。

耐震性が期待できる設備の適切な配置

事例を挙げると、一カ所に集中して耐力壁を配置していると適切なバランスではないため耐震性が低下する事態も懸念されます。
そのため、建物全体のバランスを的確に把握して、最適な位置に耐力壁を配置することが大切であると言えます。

床の耐震性を上げる

壁と床は一体ですので、耐力壁などを採用して壁には地震に対する配慮が必要です。

耐震等級を決めるときの注意点

耐震等級は1~3まであり、耐震等級をどのランクにするのかは、法律などで定められているわけではありません。
あくまで、施主裁量で決定できます。
近年では、南海トラフ地震が近いうちに発生する可能性が極めて高いと日本政府が公式発表していますので、それら考慮して検討しましょう。

まとめ

地震が多発する日本においては、住宅に対して耐震性能を考慮することが極めて重要であると言えます。
地震に強い家とすることで安心して過ごすことができますので、耐震の重要性を知ることが重要です。
新たな住宅を建てるのであれば、建築段階から地震について備えるようにしましょう。