新築の家を建てる時や、建売住宅を購入しようという時に一緒に考えたいのが断熱材です。
断熱材は家にとって非常に重要なポイントであるため、快適な生活においてこだわりたい部分の1つでしょう。
特に2020年以降は省エネルギー基準に適合した家でなければ建ててはいけないという方針から、余計に断熱材が重要です。
しかし断熱材には様々な種類があり、どの断熱材を選べばいいのかわからないという方がほとんどでしょう。
今回は断熱材選びの時に役立つ「断熱材の種類」や「選び方」について解説します。
断熱材とは?
断熱材は、その名の通り熱を断つ資材のことです。
建築の際に断熱材を用いることで、空気感の熱意度を減少させる役割を持ちます。
断熱材以外では保温材とも呼ばれるため、人によってはこちらの方が耳馴染みのある方もいらっしゃるかもしれません。
断熱材を使用することで室内の温度を一定に保ってくれるため、外気温の影響を可能な名切り減らすことが可能です。
つまり、夏は涼しく冬はあたたかい、という家を作ってくれる強い味方となってくれます。
断熱材の性能は年々上がってきているため、断熱性が良くない古い家の場合、夏は暑く冬は寒いという季節を存分に感じられる室内温度になってしまいます。
断熱材は、夏・冬の過酷な季節を快適に乗り切るために必要不可欠な資材なのです。
断熱材はなぜ必要なのか?
断熱材は快適な生活に欠かせない資材なのは先述した通りですが、実はそれだけではありません。
以下のような役割も担ってくれています。
・ヒートショックを防げる
・節電や地球温暖化対策ができる
・住宅の寿命を延ばしてくれる
これらは全て断熱材によって室内が適切な気温に保たれているからこそ、得られるメリットです。
特に近年、注目されているヒートショックを予防できるのが大きいでしょう。
ヒートショックとは、暖かい場所から寒い場所へ急に移動すると起こる現象で、温度差が体に対して負荷をかけすぎたために命を失ってしまう事例も起こっています。
これらは寒暖差が原因のため、浴室で特に起こりやすいとされています。
似たような理由で見逃せないのが、住宅の寿命を延ばしてくれる点です。
これは家の中というよりも壁の中にはなるのですが、住宅の内外で寒暖差がある場合、湿度によっては壁の中で結露が起こります。
日本の住宅は木造が多いため、結露によって資材の木が腐ってしまい、住宅の寿命を縮めてしまうのです。
以上のように断熱材は人にとっても家にとっても非常に重要な存在と言えます。
断熱材の種類
一口に断熱材と言っても様々な種類があります。
中でも代表的なものは以下の3つです。
・無機質系断熱材
・発泡プラスチック系断熱材
・木質繊維系断熱材
それぞれどういった断熱材なのか詳しく見てみましょう。
無機質系断熱材
無機質系断熱材は、一般に広く普及している断熱材です。
・グラスウール
・ロックウール
以上の2つが主となり、グラスウールは住宅展示場などでも耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
グラスウールはその名の通りグラス(ガラス)を細い繊維状に加工しています。
ガラスの材料は好物であるため燃えにくいという特徴を持ちます。
使える幅も非常に広く、壁・天井・床など家のほとんどの部分に使用可能です。
それに加えて価格も安いので、普及しているのも納得の断熱材と言えます。
また吸音性も高いことから、防音室に使用されることもあります。
断熱材で迷ったらとりあえずグラスウール、で問題ないでしょう。
非常に使い勝手が良い反面、グラスーウルは湿気に弱いという致命的な弱点もあります。
そのため防湿や結露対策は必ずしましょう。
発泡プラスチック系断熱材
無機質系断熱材と並んで近年人気になってきているのが、発泡プラスチック系断熱材です。
その名前の通り、プラスチックを利用した素材のため施工がしやすく断熱性に優れているのが特徴となっています。
湿気にも強いため、日本の気候にピッタリの断熱材と言えます。
その機能面の高さからり、発泡スチロールだけで作られた家があるほどです。
発泡プラスチック系断熱材にはいくつか種類があり、中でも最も有名なのが「硬質ウレタンフォーム」になります。
ポリウレタン樹脂に発泡剤を加えた断熱材で、ボード状であったり直接吹き付けられたりと使いやすいのが特徴です。
その仕組みは簡単で、樹脂内の気泡に含まれるガスが熱伝導を抑えてくれることによって優れた断熱性を発揮します。
硬質ウレタンフォームは優れた断熱性ではありますが、値段が高いというのが大きなデメリットです。
そのため導入するにはしっかり考えた上で選ぶようにしましょう。
木質繊維系断熱材
木質繊維系断熱材は、その名の通り木由来の素材を使った断熱材です。
代表的なものに「セルロースファイバー」があります。
木本来が持つ環境への優しさもあり、徐々に注目を集めています。
使われている素材は様々で、「新聞紙」「段ボール」「おがくず」のような身近なものばかりです。
しかしそれだけでは燃えやすくて虫に食われやすいという大きな欠点もあるため、「ホウ酸」や「硫酸アンモニュウム」を加えて耐久性を上げています。
セルロースファイバーには様々なメリットがあり、以下の4つが特に注目したいポイントです。
・施工方法が吹き付けなので簡単
・隙間がないため高い機密性がある
・吸放湿性があり、内部結露を抑制できる
・防音や吸音にも効果あり
断熱材として申し分ない性能を持っているのがわかりますね。
ただしデメリットとして、価格が高い上に、専門業者を探さなければなりません。
良い物にはコストと手間がかかるもの。
木質繊維系断熱材を導入する際は注意しましょう。
断熱材を選ぶ基準
断熱材の種類がわかったとところで、選ぶ基準はどのようなものがあるのか見てみましょう。
これから何十年も住むことになる住宅なのですから、失敗したくありませんよね。
断熱材を選ぶ際は、以下の3つを意識しましょう。
・熱伝導率
・燃えにくさ
・有毒ガス発生の有無
それぞれ詳しく解説します。
熱伝導率
断熱材選びにおいて最も重要なのが、熱伝導率です。
理系の勉強のようで難しく感じてしまうかもしれませんが、「熱伝導率が低いほど断熱性が高い」と覚えておけば問題ありません。
断熱材の熱伝導質は数値化されているため、それを見ればOKです。
一般的には発泡プラスチック系断熱材は熱伝導率が低い傾向にあり、反対に木質繊維系断熱材は熱伝導率が若干高めとなっています。
だからといって木質繊維系断熱材がダメなのかというとそうでもなく、防音などの面では優れています。
中でも一番平均的なのが無機質系断熱材であるグラスウールなため、広く利用されているのです。
熱伝導率はお住まいの地域の気候によっても選択肢が大きく変わるため、どの断熱材が良いのかしっかり検討することをオススメします。
燃えにくさ
燃えにくさも断熱材選びにとって非常に重要です。
地震・雷・火事・親父とあるように、古くから火事は怖い存在とされています。
現代においても乾燥する季節になると毎日家事が起こっているのはご存知の方も多いと思います。
断熱材で使用している素材によって燃えにくさは秘奥に変わりますが、中には燃えやすい素材があるのも事実です。
燃えやすい断熱材を使っていると、万が一家事が起こった際は火が一気に燃え広がるといったこともあり得ます。
そのため万が一を考えて燃えにくい素材を使った断熱材を選ぶというのは非常に重要です。
大きな地震が起こった際、住宅への耐震性ばかりに意識を向けがちですが、その後の火災によって家が全焼してしまったというのが地震の度に何度も起こっています。
そうしたことにならないためにも、断熱材が燃えにくいかどうかを意識するようにしましょう。
有毒ガス発生の有無
断熱材が燃えにくいかどうかとセットで有毒ガスが発生しないかどうかも意識しましょう。
なぜなら、火災の死因として非常に多いのが、一酸化炭素中毒や窒息しといったものだからです。
避難訓練でハンカチを口に当てて体を低くして逃げましょうとしているのは、有毒ガスから身を守るためでもあります。
特に優れた断熱性を期待できる発泡プラスチック系断熱材の中には、燃えると有毒ガスを発生しやすいものがあったりします。
有毒ガスの中には皮膚から吸収されるものすらあるため、身の守りようがありません。
命を守るためにも、使用する断熱材が有毒ガスを発生するかどうかは必ずチェックしましょう。
まとめ
断熱材は家にとって非常に重要な資材の1つです。
家を年中快適に過ごせる空間にしてくれるのはもちろん、家の寿命を延ばしたり、ヒートショック対策にもなってくれます。
近年では省エネ住宅推進により、性能の良い断熱材が使われていますが、どの素材を使うかによって熱伝導率や燃えにくさが大きく変わってきます。
全てにおいて優れた断熱材は無いため、自分が住む気候や希望に合わせた断熱材を選ぶのがベストです。
快適な生活を送るためにも、断熱材は慎重に選ぶようにしましょう!